1番人気の扱いをどうするか…これは競馬ファンにとっては永遠のテーマ(じゃない?)。

 1番人気本の発売前(3月11日発売)ということで、騎手の1番人気データ分析を一つ。

 そのまえに、1番人気全体の平均勝率、平均連対率、平均3着内率を示しておきましょう。 

 ▼1番人気の成績の平均値 
勝 率
32%
連対率
51%
3着内率
63%



 1番人気になって勝ち切る騎手というのは、目的意識がはっきりしていると考えています。
 
 今回の騎乗馬は、勝てる力がある馬だから勝つためにどう乗ろう、とか、どの馬をマークしてどの位置につけようとか、馬場のどこが伸びているからどこを通ろうとか、騎乗前のシミュレーションもしっかりしているはずです。
 年輩の騎手の場合だと、このレースは俺が勝つからお前ら突っかかってくるなよ、と威嚇するかもしれません(笑)。それも一つの戦法ですから、見えないところでやってもらう分には全然かまいませんがね。

 それはさておき、その意識は少なからず結果にも反映されます。
 意識が強ければ、勝ちたい陣営はエージェント経由でそういった騎手を起用してきます。人気になろうとなかろうと、デキが良くより高い着順を狙えそうなときは、手が回る範囲で騎乗依頼を掛けるでしょう。

 小牧太は、2014年以前と、2015年以降と、別人かのように成績がアップしました。
 全体の成績はそれほど変化はありませんが、1番人気の成績は見違えるほど良くなっています。

 最もお世話になった橋口弘次郎調教師がラストの年度だから?
 橋口先生の人気馬は全部勝ってやる!という意識があったのかもしれません。

 ▼2015年 橋口弘次郎×小牧太の1番人気成績
 総件数12件 1着7件 2着2件 3着2件
        勝率58% 連対率75% 3着内率92%
        単回収率163% 複回収率124%

 凄いでしょ?(笑)

 誰にだってそういう思いは背負っているはず。背負っていない騎手は実際成績が良くない。1番人気になるような馬にすら騎乗できません。

 というわけで、今回は、
 勝利への目的意識が強い(と思われる)順に、Aランク、Bランク、Cランクとしてまとめました。

▼1番人気 騎手ランクA(2016年)
騎手1番人気ランクA


 R.ムーアは別格。勝たなければならない馬を勝たせるために来日してきているわけですから、この成績でも非難されるぐらい。
 だって、吉田豊や柴山雄一とそれほど変わらないんだから。

 R.ムーアがいないときは、柴山雄一がその代わりを務めているようです。R.ムーアほどではないにしろ、そういう意識は本人の中に根付いてきているのではないでしょうか。

 吉田豊は何がいいんだろぉと。
 特別レースで1番人気になることが少ないから目立ってないですが、平場で尾形充弘厩舎の馬をしっかりと勝たせているようです。
 尾形充弘×吉田豊の1番人気、3年間の平均は勝率40%、連対率55%と優秀です。

 勝浦正樹はベッタベタのローカル。1番人気の9割以上はローカルでのもの。2014年から一気に良くなりました。2015年はより勝ちを意識しだしたようで、1着率と2着率との差が大きくなっています。

 石橋脩は、とりあえずBに加えましたが、Aでもいいぐらいの成績を残しています。1番人気になる回数は少なくても、馬券圏内にしっかりと持ってきます。「ノーザンファームや堀厩舎の馬ばかりじゃないの?」じゃないの(笑) 意外ですが。ドゥラメンテに騎乗して負けた共同通信杯は、少し力みがあったかなぁ。この取りこぼしがなければ、文句なしでAランクを付けることができましたね。


▼1番人気 騎手ランクB(2016年)
騎手1番人気ランクB


Bランクは、いたって普通の1番人気騎手。
M.デムーロやC.ルメールは過人気傾向になるので、馬券的妙味はありません。
ただし、そのなかでも、「買い!」となる1番人気パターンはあります。これについては後日お届けします。

▼1番人気 騎手ランクC(2016年)
騎手1番人気ランクC


癖が悪いのが戸崎圭太。騎手がダメとかではなく、関東では売れすぎるんです。1番人気になるはずがない馬が1番人気になったり、1番人気になるような馬でも、極端に売れます。妙味ゼロ。平場では特に。
※逆に関西に参戦すれば旨みは倍増

C.ルメールやM.デムーロのどちらかが関東に参戦してくれれば、それも少しは緩和するのですがね…。
「この騎手なら大丈夫」と思える騎手が少ないのが関東。
関東と関西の違いはそこが一番大きいかもしれません。

田中勝春は、こんな言い方をして本当に申し訳ないですが、絶対に買えません。
勝負どころでは動かせないし、勝ちパターンなのにゴール前で鞭を入れたらヨレたりと、今は信用度ゼロです。
ちなみに、今年は、1番人気に2回騎乗し、9着と7着。それ以前に総合で連対すらありません。

岩田康誠は、昨年秋はエージェントの問題などがあって成績が一気に低下。今年も一時の勢いは見られません。ただ、1番人気での成績は良くなりつつあるので(件数は少ないにしても)、今後このランクはアップするかもしれません。

(つづく)

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